業績には波があるから、過度な節税はオススメしていません。

Pocket

いい時もあれば悪い時もある

事業には、波があります。

業績が良いときもあれば、悪いときもあります。

サラリーマンならば、概ね一定の収入があります。

でも、事業をしていれば、売上は上下します。

昨年の売上は1,500万円あったけれど、今年は800万円なんていうこともあります。

景気の良し悪しや、事業の流行りすたりがあるからです。

いざ自分の身にふりかからないとわからない

業績が上下するのは、ある意味仕方のないことです。経営者の責任だけではありません。

でも、頭では業績には波があるとわかっていても、いざ自分の身にふりかからないと実感が持てないのが人間です。

業績が良いと、ずっとそれが続くように気がしてきます。

派手にお金を使ってみたり、自分の商売とは関係のない投資をしてみたりと散財してしまいがちです。

良い時には、悪くなった時のことを想像するのは難しいです。

反対に悪くなると、精神的に落ち込んで必要以上に焦ってしまいがちです。

「そんな時もあるさ」とおおらかに構えられれば次の一手も浮かんでくるのですが、そうもいかないのが人間です。

どうすればいいのか?

事業のやり方によっては、波の幅をある程度コントロールすることが可能かもしれません。

税理士業でいえば、スポットで仕事を受けるよりも、顧問契約をした方が安定的な収入源が確保できます。これも波を抑えるためのビジネスモデルです。

この辺りは、税理士なんかよりも、実際に事業を経営していらっしゃる経営者の方がノウハウに長けているかもしれません。

税理士ができるアドバイス

業績の良い時に、「過度な節税対策をしない」ということに尽きるのではないかと思います。

過度な節税対策をすると資金繰りが悪くなって、悪い時に身動きができなくなってしまうからです。

資金繰りが悪くなると、精神的に追い詰められていきますので、冷静に考えることができなくなります。悪循環です。

資金的に少し余裕があれば、精神的余裕もできますし、すっきりとした頭で次の手を考えることができます。

この余裕が作ることが、税理士の仕事かなと思っています。

なぜ節税対策がいけないのか?

節税と呼ばれるものには、種類があります。

①国が政策的に税金を安くしてくれるもの

②課税を繰り延べるもの(今年支払う税金を次年度以降に回すもの)

③経費を使って利益を圧縮するもの

①は、個人事業主であれば青色申告をするとか、従業員に支払う給与を増やした時に税金自体が安くなる制度や設備投資をしたときに税金が安くなる制度のことです。これは、条件に合えば、積極的に使っていくべきだと思っています。

問題は、②と③です。②は、最近、適用条件が厳しくなっていますが、保険を使った節税などが代表格です。③は、利益が出たから、会社の経費で何か買おう!といったものです。

もちろん、②と③もある程度は必要です。退職金を貯めるために保険は有効な手段ですし、少しくらは経費でなにか買わないとモチベーションもあがりませんしね。

でも、やりすぎは注意です。なぜならどちらもお金が拘束される(もしくはお金を使う)ので、資金繰りが悪くなるからです。

つまり、節税対策をすると、それだけ資金的に余裕がなくなります。

であるならば、税金を払っておいた方が、結果的に痛手は少ないことの方が多いです。

まとめ

業績には波があるものです。

業績がいい時は、なるべく資金的な余裕を作って悪い時に備える必要があります。

節税対策の大半は、資金繰りを悪化させるため、私は、過度な節税対策はオススメしていません。

と偉そうに書いてきましたが、私も税額が想定以上だとあたふたしてしまいます。

なので、節税対策をしなきゃ!というお気持ちは、よーくわかります。

もっといえば、少しぐらいそれで失敗をしても人間らしくていいかなとも思っています。

失敗しない人は、いませんしね。

編集後記

今日は、久しぶりに四条通を歩きました。あちこちに鉾や山た建っていて、祇園祭りムード満点でした。暑くて人が多くて大変なのですが、やっぱりいいなあと思いました。