帳簿を税理士事務所に丸投げしない方がいい理由

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確定申告の時期に一年分の資料を税理士に送付して、会計帳簿を作ってもらっている方、結構いらっしゃるのではないでしょうか?でも、同じ顧問料を払うのであれば、そのお金の使いかたはもったいないです!

丸投げをオススメしない3つの理由

税理士事務所に資料を渡して帳簿から作ってもらうという方は結構いらっしゃると思います。

私は、どんなじ事業が小さくても帳簿を丸投げすることはオススメしていません。

理由は、3つです。

  • 内容がわからなくなる
  • 数字が出るのが遅くなる
  • 必ずしも正確とは限らない

内容がわからなくなる

なんでもそうなのですが、人にやってもらっていると内容がわからなくなってきます。

身の回りのことをすべて奥さんに任せている旦那さんを想像してください。自分の服ですらにどこにあるのかわからず、イチイチ奥さんに聞かないといけなくなります。

お金の現物や預金通帳の残高をみているからそんなことはないよと思われるかもしれません。

でも、人間の感覚は思いのほかいい加減なものです。家計の管理を考えてみてください。家庭のような小さなお財布でも、管理するのは大変です。そんなに贅沢をしているつもりはないのに、お金が貯まらないなあという経験はないでしょうか?事業でも同じです。数字をみないと意外に全体像はわからないものです。

数字が遅くなる

税理士事務所に丸投げすると数字が遅くなります。

まず、帳簿のもとになる資料をいただかないと帳簿は作れません。すぐに送っていただければまだいいのですが、資料の送付は遅くなりがちです。一度で、そろえばいいのですが、何かが抜けていることが多いです。不足分のやり取りだけで、1週間くらいはかかってしまいます。

そうこうしているうちに、何か月も前の試算表をもってお邪魔してお話をすることとなります。そうなると、聞く方としても「そんな何か月も前の話、興味ないよ~」となってしまいます。

もっと悪いケースですと、資金繰りが悪くなっているのに気がつかなかったり、無理な設備を投資をしたりといったことにもなりかねません。

理想をいえば、月次で、遅くても3か月に1回くらいは数字を確認しておきたいところです。

必ずしも正確とは限らない

税理士事務所で作った帳簿は、必ずしも正確とは限りません。なぜなら、税理士は会計や税金のことはわかりますが、事業のことはわからないからです。

例えば、レストランでの飲食代。普通に考えれば交際費なのですが、飲食店を経営しておられる場合、他店の視察や新メニュー開発のための費用なのかもしれません。税理士も領収書だけでは、その違いを判断することは不可能です。

もちろん、金額が大きいものや頻繁にでてくるようなものは、問い合わせをします。でも、あまりに金額的の小さなものをイチイチ聞くとかえって迷惑がられ、出来上がりも遅くありますので、ある程度は推測で作らざる得ない事情もあります。

まとめ

ぶっちゃけ、税務申告に必要だから会計帳簿を作っているという方は多いと思います。

でも、会計帳簿の本当の役割は「会社の現状を把握し、改善点が探していく」ためのものです。

今までの日本は人口が増加していたので、会計帳簿をみなくても、どんぶり勘定でなんとかなったものです。今の日本の状況は違っています。人口は減少傾向にあり、急激な経済成長は望めません。

でも、きちんと経営をすれば食べていけないほど厳しくもありません。減少傾向にあるとはいえ、世界的にみれば人口は多いほうですし、経済力もあります。

会計帳簿をきちんとつけて、自社の状況を把握すれば必ず経営は良くなります。会計帳簿を経営に役立ててみませんか?

でも、帳簿のつけ方も読み方もわからないという方、ぜひお近くの税理士さんに相談してみてください。きっと力になっていただけるはずです。

もちろん若山会計事務所でも、帳簿のつけ方、読み方をお手伝いさせていただいています。

編集後記

今日は、棚卸の立会に行ってきました。この時期、倉庫は寒いのですが、現物が見られるので、好きな仕事の一つです。