11月に設備投資の相談をされ、経営力向上計画に認定が間に合わないんじゃないかと焦ったこと

2018年12月2日

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先日、お客様から連絡がありました。

「工具を購入することにしました。

納品は、12月初旬なんですけど、経営力向上計画はどうなるのでしたっけ?」

というものです。

私は、この話を聞いて「もしかしたら間に合わないかもしれない!」と内心、焦りました。

経営力向上計画とは

なぜ焦ったのかという話はいったん置いておいて、

「経営力向上計画」?何、それ?という方のために経営力向上計画の概要です。

中小企業が計画を作って国の認定を受けると、税金と融資で優遇が受けられるというものです。

その計画のことを「経営力向上計画」と言います。

計画には以下のような取り組みをします。と宣言し、数字の目標もたてます。

・ITの活用

・人材の育成

・経営に役立つ財務分析

・生産性を向上させる設備投資

なんでそんなことをするのかといえば、一言でいえば「一人あたりの稼ぐ力」をアップさせるためです。

日本は、労働人口が減少していくけど、世界的には人口は増加しているよね。このままでいくと、日本経済はヤバいよね~何とかしないといけないね。ということで国が稼ぐ力をアップさせる取り組みをしてくれる中小企業を後押ししましょうということです。

 

優遇措置は、いろいろあってそれぞれに詳細な要件も決まっています。いろんな方がすでに書いてくださっているので、ここでは省略しますが、冒頭の例でいえば、工具の購入金額の10%、税金が安くなります。

 

原則は、購入前に認定を受ける必要あり!

設備を買って税金の優遇措置を受けようとすれば、何を買うかをあらかじめ計画に書いておく必要があります。

でも、すべてを計画に書いておくのって、難しくない?ということで例外も認められています。設備を購入して2か月の間に申請を出して認定を受ければ、その分も認めてあげましょうということです。

ここで2点注意点があります。

一つ目は、申請を出して認定まで受けないとダメだということ。

認定を受けるまでに、大体1か月くらいかかります。なので、この1か月分を見ておく必要があります。

そして、もう一つ注意点。これが意外と見落としやすい!

決算日をまたいではダメなのです。

そう、冒頭のお客様の決算期は、12月。

12月10日に工具を購入したとすると、本来期限は、2月9日。でも12月31日決算なので、期限は12月31日です。申請を提出してから認定までに通常1か月くらいかかるので、購入してから申請しても間に合わない可能性が非常に高いです。

 

キーになる工業会の証明書

11月に話を聞いたなら、その段階で計画だけ書いて出せばいいやん!って思いません?

そう、出せれば簡単なのですが、そうもいかない事情があります。

税金の優遇を受けるときに必要な書類があるのです。

「工業会の証明書」というやつです。

何?それ?という方

この設備は、生産性を向上させますよ~というお墨付きです。

(お墨付きがないとなんでもかんでも買えば税金が安くなってしまって、納税者はラッキーですが、国的にはまずい)

これが出るかどうかは、どうすればわかるのか?

販売しているメーカーもしくは代理的に聞けばわかります。営業担当がよっぽど勉強不足でない限り、「工業会の証明書は出ますか?」と聞けば話は通じます

これを納品前に出してもらえるか?

稀に納品後じゃないと出せませんと言われるケースもあるので、要注意です。

 

そこで、お客様に、工業会の証明書を急いで出してもらえるかを確認してもらいました。

結果、前倒しで出してもらえることとなりました。

先週、無事に工業会の証明書が届き申請を提出しました。

 

冒頭のお客様は、余裕をもって聞いてくださったので、間に合いました。

これが12月に入ってからだと、間に合わなかったなあとちょっとヒヤリとしました。

経営力向上計画を使って設備投資を考えておられる方、期限は大丈夫でしょうか?

編集後記

昨日は、車屋さんへ。我が家の車は、燃費がとっても悪いので新車購入を検討中です。

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お休みしてしまいました。ごめんなさい。