雑損控除の差引損失額って何?
雑損控除とは、災害などで生活用資産に損害が生じた場合、一定金額を所得から引いてもらうことによって税金が軽減される制度です。意外とややこしい差引損失額の計算方法を解説します。
Contents
所得から差し引ける金額
雑損控除で所得から差し引ける金額は次の①、②のいずれかのうち大きい方の金額です。
①差引損失額₋所得金額の1/10
②差引損失額のうち災害関連支出ー5万円
ここで差引損失額という耳慣れない言葉が出てきます。
差引損失金額とは
以下の計算式で算定されます。
差引損失額=損失額+災害等に関連したやむ得ない支出₋保険などで補填された金額
差引損失額は、①損失額、②災害等に関連したやむ得ない支出、③保険などで補填された金額の3つからなります。
損失額
損害を受けた資産の時価です。注意点は、時価だということです。時価なんてどうやって計算するの?という疑問がでてくると思います。
そのため国税庁HPに、損失額の合理的な算出方法を解説しているページがあります。
https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/topics/sonshitsu/index.htm
購入した価額がわかる場合は、
損失額=(購入した価額ー減価償却費)×被害割合
*減価償却費とは、時の経過にともなって価値が減少する部分です。決められた計算式で計算します。
*被害割合は被害割合表というのを使います。
取得した価額がわからない場合は、
住宅の場合は、「地域別・構造別の工事費用表(1㎡当たり)」という表を使います。これは、国が決めた標準建築費用です。
損失額=〔(1㎡当たりの工事費用×総床面積)-減価償却費〕×被害割合
災害等に関連したやむ得ない支出とは
2つの要素です。災害関連費用ともいわれます。
災害により損害を受けた住宅や家財の取壊し・撤去費用や、盗難や横領により損害を受けた資産の原状回復費の金額のことを言います。確定申告する際に、領収書が必要となります。
まとめ
雑損控除の差引損失金額の計算方法を解説してみました。
損失額の計算は、意外に判断に迷うケースも多いのではないでしょうか?判断に迷う場合は、税務署等で相談にのってもらえます。その場合は、損失を受けた資産の概要ががわかるもの(取得価額など)、災害等関連費用の領収書、罹災証明書などを持っていかれることをおすすめします。
編集後記
今日は、事務所で事務作業と書類の整理。定期的に整理をしないとダメですね。