2000万円がひとり歩き。数字の怖さを改めて感じました。

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何かと話題の金融庁ワーキンググループの報告書。2000万円がひとり歩きし、改めて数字の怖さを感じました。数値は絶対じゃないですよ。

金融庁ワーキンググループの報告書

「老後に2,000万円の蓄えが必要」というインパクトのある報道がされたため、何かと話題になっていますね。

さらに、麻生大臣が報告書を受け取らないという対応をしたために、問題に拍車がかかっています(;^_^A

年金だけで生活できないなんて、みんな知っているし何をいまさら…と思うのですが。

責任転嫁と保身ばかりで、信頼感ゼロです。

責任追及よりも、どうしたらみんなが安心して暮らせるのかを真剣に議論してほしいです。

数字のひとり歩き

さて、これだけ話題になったので、報告書を読んでみました。

長いのですが、難しい表現はないので、さらりと読めます。

目新しい話ではありませんし、指摘されている問題点や考えられる対応策も至極まっとうな意見です。

ただ、数字がひとり歩きをしてしまっていますね。

やっぱり数字はコワイです。

ちなみに、以前、数値の説明は難しいというブログを書きました。

記事はこちらです。

https://www.naowakayama.com/2019/04/26/post-937/

数字の説明は、本当に難しいです。

この報告書の「2,000万円」という数字には、何の意味もありません。

数値に踊らされて、不安になる必要なんてありません。

平均的な家庭像

なぜならこの数値自体が、「平均」をもとに算定されているからです。

この数値が想定しているのは、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職の世帯です。年金の額も夫婦あわせて月額20万円ほどあります。

ひと昔前に政府が想定していた家庭像のど真ん中です。

このライフスタイルが変わってきたと指摘をしておきながら、なぜこの例を出してきたんだろう?

もちろん、私も大きく外れています。自営業だし、夫とも年も離れているし、そもそも自営業だし夫婦合わせて月額20万円ももらえません。

そして、支出です。これも平均値です。

平均値には、稼ぎの多い人から少ない人もまですべて含まれています。

ひと昔前のように、一億総中流社会ならば平均値も意味があったかもしれませんが、格差が広がってきているといわれている「今」はあまり意味はありません。

極端な例ですが、毎月の支出が100万円の人が1人、20万円の人1人、15万円の人が1人いた場合、平均は45万円です。

100万円という高額の人にひっぱられて全体の数値が高くなってしまっています。

この場合、平均値よりも真ん中の値である、中央値の20万円をとる方が感覚的にしっくりときます。

こういった数字の裏側を考えるのも大切です。

難しいですけれどね。

編集後記

今日は、いいお天気でしたね。このくらいの暑さで止まってくれないかな。