今、読むとどんな感想になるのか?「カルロス・ゴーン経営を語る」

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2019年の年末に映画のような逃亡劇を繰り広げたカルロスゴーンさん。2003年に出版された「カルロス・ゴーン経営を語る」という本を読みました。ゴーンさんが何をしたのかは、私にはわからないですが、この本を読んでゴーンさんに対する印象が180度変わりました。

偶然の出会い

先日、図書館へいった際、カウンターに置いてあったおススメ本。

「カルロス・ゴーン、経営を語る」(2003年9月発行)

図書館司書さんのセンスに脱帽です!

2019年年末、派手な逃亡で再び世間を騒がせたゴーンさん。

今、読むとどんな感想になるんだろう?と思い、さっそく借りて読みました。

印象が180度変わる

本を読む前に私が持っていたゴーンさんに対するイメージは、

「顔がコワイ」⇒常に怒ってそう

「コストカッター」⇒無理な要求を突き付けられそう

「敏腕経営者」⇒やっぱり、怖い

「金の亡者」⇒お金にしか興味がない

ネガティブなものばかりです。

さらに、2018年に逮捕、先日の逃亡に至る過程を経て、イメージはさらに悪化していましたが、この本を読んで180度イメージが変わりました。

本書の内容

2002年から2003年までに、AFP通信東京支局長だったフィリップ・リエスさんがゴーンさんにインタビューをしてまとめたもので、生い立ちからから日産にやってくるまでの半生が詳しく描かれています。

どのようなバックボーンのもとに育ち、どのような教育を受けて、どんな会社に入り、どのような仕事をしてきたのか?が詳しく書かれています。

 

驚き その1 レバノン人が抱える複雑な事情

ゴーンさんのお爺さんは、13歳で祖国レバノンを出てブラジルへ渡り、ブラジルで事業を始めます。しかも、たった一人で!

中学1年生の子が、たった一人で海外に行って生活していくなんて、今の日本人には想像もつかないことです。ですが、当時のレバノンでは、珍しいことではなかったそうです。レバノンは、絶えず他国の支配を受けてきた過去を持ち、地理的にも複雑です。そのため、争いの火種が絶えず、他国で自分の道を切り開いていかないといけないという事情があるためです。

関西を出たことのない私にとっても衝撃的でした。そんなバックボーンを持っていたら、どこででも生活できますよね。そりゃ、逃げるわ。

驚き その2 常に外国人として生活

ブラジルで幼少期を過ごしますが、高校まではレバノンで、その後はフランスでエリート教育を受けます。そして、ミシュランへ入社。ミュシュランでの経験が、ゴーンさんの企業人として生き方に影響を与えます。ガイドブックが有名ですが、本業はタイヤメーカーです。フランスの伝統的な同族会社ですが、年齢や国籍に関係なく優秀な人材は昇進させるという先進的な風土もあるようです。ゴーンさんも外国人であるにもかかわらず、幹部に途用されミシュランで経営者としての経験を積みます。その後ルノーを経て日産へ。

ずっと外国人として生活をしてこられただけに、他国の文化を考え、それを侵害しないという目線で物事をみてらっしゃいます。

驚き その3 どうすれば現場の人が動いてくれるかを考える人

ゴーンさんは、日産の前にも数々の挑戦をされています。ミシュラン時代には、赤字だったブラジル事業のテコ入れ、北米での事業の拡大、ルノー時代には大胆なコスト削減計画。

印象に残ったのは、日産に来るとき、日産の企業文化を変えようとは思っていなかったという話です。

ルノーから日産にくるメンバーに対しては、以下のように言い聞かせていたといいます。

「君たちは宣教師ではない。日本を変えるためにではなく、日産の潜在能力を最大限に引き出して、その業績をあげるために行くのだ」

なるほど、と思いました。

「あなたたちのやり方は間違っている。こっちの方が正しいから、これをやりなさい!」といっても、人は絶対に動きませんものね。でも、やってしまいがちなんですよね。

2003年以降の日産

この本が書かれたのが、2003年。ゴーンさんが日産の内部闘争の末、逮捕されたのが2018年。

この本を読む限り、ゴーンさんの考えに共感する部分はとても多いです。

その後、日産では何が起こったのか?非常に気になります。

編集後記

3連休は、子供達をつれて実家へ。母が子供をみていてくれる隙にバレエの発表会を観にいってきました。久しぶりに懐かしい人にお会いすることができて、嬉しかったです。