フグと平均課税制度

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冬の味覚フグから派生した税金のこぼれ話です。

冬の味覚

冬になるとお魚が美味しくなりますよね。

冬の味覚の王様といえば、やっぱりフグ!刺身、お鍋、唐揚げどれも絶品です(でも高い…)。

フグの王様トラフグの漁獲量は、温暖化と乱獲の影響で年々少なくなっているそうで、最近は養殖物の生産数量の方が多いそうです。

税金マニアの間では「漁業といえばあれでしょ!」という制度があります。それは平均課税という制度です。

平均課税制度とは?

平均課税制度とは、年によって収入の変動の激しい方や臨時的に収入が増えた方の所得の税負担を調整するための制度です。

日本の所得税は、超過累進税率です。所得が大きいほど高い税率で税金がかかります。所得の再配分という意味では理にかなっているのですが、ちょっと不利になってしまう方たちも出てきます。

毎年の所得が激しく変動する方や臨時的な収入があってある年の所得だけが大きくなってしまった方です。例えば、作家、作曲家、プロ野球選手などの方たちです。

そこでこのような方には、特別に低い税率で計算できる仕組みがあります。それが平均課税制度です。

平均課税の対象となるものは限定的

会社から給与をもらっている方は、所得が大きく変動するなんて言う状況はあまりありませんが、個人で事業をされている方にはよくあることです。個人事業者の悩みはこれに尽きるといっても過言ではありません。税金が増減するだけではなくて、健康保険もひっぱられて増減するするからキツイんですよね。

なので、みんなが使いたがり超過累進税率の意味がなくなってしまうなんていう事態もあり得ます。

そこで平均課税制度が使える場合というのは、かなり限定されています。

ざっくりいうと、

①変動所得や臨時所得があって

②その対象となる所得が占める割合が20%以上で

③前年と一昨年の平均よりも増加した場合にのみ適用できます。

ここで、変動所得って何?臨時所得って何?となると思います。

変動所得とは

事業所得や雑所得のうち、

・漁獲やのりの採取による所得

・はまちやまだい、ひらめ、かき、うなぎ、ほたて貝、真珠、真珠貝の養殖による所得

・印税や原稿料、作曲料などによる所得

ここで、やっと漁業がでてきました。

魚を獲る方は、魚の種類は限定されていないのに対して、養殖は魚の種類が限定されています。

フグも私の好きな近大マグロも入っていません😭

はまちやまだいの養殖だったら、平均課税が適用できる可能性があるけれども、フグやマグロは適用ができないということになります。

なんだか不公平…

なんでこうなったのか?

考えられる理由は2つです。

①養殖の技術に税法が追い付いていない

②限定している以外の魚の収入はそれほど変動しない

過去の変動所得の改正から考えると、①の方ではないかと思います。なぜなら養殖される魚は順次追加されてきた経緯があるからです。

参考までに、変動所得に関する改正を書きだすと以下のようになります。

昭和48年改正 「はまち及びかきの養殖から生じる所得」が追加される

昭和49年改正「うなぎの養殖から生ずる所得」が追加される

昭和57年改正「ほたて貝及び真珠(真珠貝を含む。)の養殖から生ずる所得」が追加される、

平成4年改正「まだい及びひらめの養殖から生ずる所得」が追加される

ぶりは?

でも、個人的にはもう一つ疑問があります。

ぶりの養殖です。

はまちの養殖とは記載されていますが、ぶりは記載されていません。ご存知の通り両者は同じ魚で、大きさによって呼び名が変わります。

同じ魚だからいいとも解釈できますし、

出荷する大きさが違えば違った取り扱いとなるとも解釈できます。

気になって夜も眠れません。

まとめ

はまちやまだいの養殖は変動所得となりますが、フグの養殖は変動所得には分類されず、平均課税制度の適用ができません。養殖技術に税法が追い付いていない一例だと思われます。

将来的には、追加されるのでしょうか?

編集後記

今日は、法定調書の作成をしていました。給与支払報告書と同様、地味に面倒です。

フグの話を書きましたが、今日のごはんは甘カレイの煮つけです。ちなみにカレイは育つのに時間がかかるため養殖は難しいそうです。